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2022年1月4日火曜日

【理工学部卒】エンベデッドシステムスペシャリスト試験合格体験記

これまただいぶ前の話になるがエンベデッドシステムスペシャリスト(長いので以下ESとする)合格までの経験をまとめておく。

エンベデッドシステムスペシャリストはいわゆる組込み系の試験でかなりニッチでマニアックな分野となる。そのため受験者数は他の情報技術者試験と比べて著しく少なく、合格体験記や勉強サイト、テキストなどの教材もめちゃくちゃ少ない。

CBT形式の基本情報技術者試験(以下FE)を2021年1月に受験し合格、すぐに応用情報技術者試験(以下AP)を2021年の春期(4月試験)に受験しギリギリで合格、そのままの流れで2021年の秋期(10月試験)を受験することにした。(AP合格後2年間は午前Ⅰ試験が免除される特典もあるので)


受験前の僕のスペック

理工学部出身(非情報系)
APギリギリ合格したばかり(午前Ⅰ免除)
社会人6年目
普段は組み込み機器の仕様策定、C言語でファームウェアの作成などを行っていた。(いわゆる組込みエンジニアにあたる)


使用した参考書、サイト

下記に示した参考書1冊と午前Ⅱの過去問が載ってるサイト、午後ⅠとⅡはIPA公式の過去問をダウンロードして使用した。

うかる!情報処理教科書 エンベデッドシステムスペシャリスト(翔泳社 牧 隆史 / 松原 敬二)

高度情報処理技術者の中でも圧倒的に不人気なESは専用のテキストも少ない。(2〜3種類しかないし、毎年出るわけでもない)
そんな中で本書はおそらく2年に一度は出版され、かつテキストに載せられなかった最新の過去問解説はネットからダウンロードできるというかなり貴重なテキストである。
午後Ⅰ、Ⅱの解答解説はもちろん、解き方のロジックやコツなども書かれているので単なる解説書ではなく試験に受かるための虎の巻としても機能する。
午前Ⅰ免除であればテキストはこの一冊でいいと思う。(午前Ⅰ免除でないなら別途AP用のテキストなどがあった方がいいかも)

情報処理技術者試験の勉強(過去問題)をやり直し

ESなども含めた高度情報処理技術者試験の午前Ⅱの過去問と解答を載せてくれているサイト。さすがに過去問道場ほどは使い勝手は良くないが、入手しにくい午前Ⅱの過去問を網羅してくれている。
基本的に解答のみで問題に対する解説はないが、その問題のキーワードに関する解説が書かれており勉強になる。そのキーワードを自分でググるとさらに勉強になる。


勉強スケジュール

ESのための総勉強時間は80時間くらい。ただしFE、APのときの勉強も含めると300時間超になる。
試験2ヶ月前頃から勉強開始。平日1時間程度(たまにもっとした)土日2〜3時間程度(たまにサボった)勉強したと思う。
午後の問題はまとまった時間が必要なので、平日に勉強するのはかなり大変だった。特に午後Ⅱはかなりの時間を要するのでほぼほぼ土日にしかできなかった。


勉強方法

午前Ⅱ問題は短い空き時間などにひたすら過去問&関連ワードをググって知識に厚みをつけた。
やってるうちに1試験分は10分以内で解き終わるようになっていた。
基本的にはFEやAPと同様の勉強方法で問題なかった。

午後ⅠとⅡは、一応仕事で組込みシステムっぽいものを作ったりしていたので問題にもよるが初見でも全く手も足も出ないと言う感じではなかった。
午後問題はソフトかハードか選択する必要があったが基本的にはソフトで、余裕があったり気分転換の時にハードの過去問を解いた。よくハードは物理学の学び直しが必要と言われるが理系なら常識レベルの物理の知識で解けることも多々あった。
午後Ⅰは必ず1問はソフトを選ばなければならないのでよっぽど得意でなければハードをメインで進めるメリットはないように感じた。
午後は全く時間が足りなくなるので時間を測りながら、できるだけ早く解答できるように勉強した。(逆に言えば時間さえあれば解けそうな問題も多くある)
過去問演習が主な勉強となるが初めの頃は、過去問解く→テキストの解説を読んで理解する、を繰り返して自分なりの解き方の手順を確立させた。
問題を解いた後、解くのにかかった時間の半分以上の時間をかけてしっかり内容や考え方を理解するようにした。
そのうちテキストに解説が載っている過去問が無くなってしまったので、IPAの公式サイトから過去問をダウンロード・印刷して演習に取り組んだ。この頃には間違った問題も解答を見ればなんとなく、あーこういうことか!と理解できるようになっていたので解説がなくてもなんとかなった。またどうしても理解できない時は公式の講評も参考にしながら進めた。
10年以上前のあまりに古い過去問は問うてくる内容やニュアンス、全体感、難易度などが妙に異なるためあまり積極的には解かなかった。
やってるうちに前に解いた過去問の内容を忘れるので何度か同じ年度の問題を解いたりもした。


試験内容について

午前試験は例年通りな感じで特に難しいところもなかった。時間はかなり余ったが途中退室できないので何度も見直しをして寝て過ごした。

午後Ⅰは問1と問2(どちらもソフト)を選択。ペットの点滴装置の問題とDXレストランの問題だった。
ペットの点滴装置は少しイメージしにくかったが問題自体はそこまで難しいものはなかった。
DXレストランはよくありそうなシステムでイメージしやすく比較的簡単な問題だったと思う。
時間は見直しや考え直しを行ったところで丁度終了となった。

午後Ⅱは問2(ソフト)の問題を選択。生産ラインの可視化システムに関する問題だった。
製品や装置単体のシステムではなく、複数の装置が連携するような規模の大きいシステムで、組込みというよりはかなりIoTよりのシステムだったためイメージしにくい問題だったと思う。たまたま業務で生産ラインのIoT化に携わったこともあったためなんとか理解することができた。
時間はギリギリまで解き続けていた。


受験結果

午前Ⅱは84点だった。ほぼほぼ予想通りでマークミスしてなければ受かるだろうとは思っていた。
午後Ⅰは93点で思いの外、高得点を取ることができた。
午後Ⅱは76点で悪くもなく良くもなくな感じの点数だった。
どれも事前の大手資格予備校の解答速報、配点速報の自己採点より高得点だった。多分記述問題は厳しめに自己採点した為だと思う。
高度情報処理技術者試験になってくると大手資格予備校の解答速報が間違っている場合も多く、合格発表までドキドキだった。5chのESのスレなどで皆の解答と見比べたりしていた。
またESは不人気なので解答速報が出るのが1番遅いことが多かった。


感想

FEからはじめてAP、ESと一気にIT資格を駆け抜けることができてよかった。
午後の問題は相性などで全然点数が変わるため半分運ゲーみたいなところもあり、どのくらい勉強すれば良いのか雲を掴むような感じだった。
次回はさらに上のITストラテジストやネスペなども取ってみたいとは思いつつも、流石にモチベが続かないだろうと思う。→ES合格後無謀にもITストラテジスト受験申し込みしたものの、仕事も私事も忙しく全く勉強時間がとれなかったので試験会場にすら行かなかった…

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