2023年3月5日日曜日

I2C通信って何?接続方法や通信の流れを解説!

 「I2C通信」と聞いても、なんだか難しくて敷居が高そう、と感じる方も多いのではないでしょうか。しかし、I2C通信は、小型デバイスやIoTデバイスなどで広く使われている、非常に便利な通信方式です。本記事では、I2C通信の基本的な接続方法や通信の流れについて解説していきます。

I2C通信とは

I2C(アイツーシー、アイスクエアドシー、アイアイシー)通信とは、デジタルデバイス同士が通信を行うためのシリアル通信プロトコルの一つです。2本の線、SDA(シリアルデータ線)とSCL(シリアルクロック線)を使って通信を行います。

I2C通信は、デバイス間の接続がシンプルで、多数のデバイスを接続することができるため、さまざまなデジタル機器やセンサー、アクチュエータなどの間でデータをやり取りするための通信プロトコルとして広く使われています。
具体的には、温度センサーや湿度センサー、加速度センサー、照度センサー、ディスプレイ、A/D変換器、D/A変換器、リアルタイムクロック、EEPROM、マイクロコントローラ、フラッシュメモリなどが挙げられます。また、Raspberry PiやArduinoなどのシングルボードコンピュータでもI2C通信が使われています。

I2C通信は、クロックとデータを同期させるための手順があり、低速だが通信手順が簡単で、比較的単純な回路で実装できることが特徴です。


I2C通信の接続方法

I2C通信を使用する際には、以下のような接続方法が必要です。

1.マスターデバイスとスレーブデバイスを接続するためのSCL線(クロック線)
2.マスターデバイスとスレーブデバイスを接続するためのSDA線(データ線)
3.グラウンド(GND線)

さらに、I2C通信ではSDA線とSCL線をプルアップすることが必要です。
I2C通信においてプルアップ抵抗が必要な理由は、I2Cの信号線であるSDAとSCLがバス上でHigh(1)とLow(0)を切り替える際に、マスターとスレーブの両方がHighを出力してしまうバス競合を防ぐためです。
プルアップ抵抗をSDAとSCLに接続することで、信号線がHighの状態を保持できるため、デバイス側が信号を出力しない場合でも、信号線がHighの状態を維持することができます。これにより、信号線がLowになり、バス競合が発生することを防止することができます。

I2C通信では複数のスレーブデバイスを同じSCL線とSDA線につなげることができます。これはI2Cの通信の流れ(プロトコル)が、マスターとスレーブの役割分担によって複数のデバイスを制御できるように設計されているためです。


I2C通信の通信の流れ

I2C通信では、マスターデバイスがスレーブデバイスに対して、以下のようなメッセージを送信します。

1.スレーブアドレスの送信
2.読み取り/書き込みの指示
3.データの送受信

これらのメッセージは、SCL線のクロックパルスに同期して送受信されます。マスターデバイスは、SCL線を制御してクロックパルスを生成し、SDA線を介してデータを送受信します。スレーブデバイスは、マスターデバイスから送信されたクロックパルスに同期して、SDA線を介してデータを送受信します。

また、各スレーブに固有のアドレスが割り当てられていることで、マスターが通信するスレーブを選択することができます。マスターが通信を開始すると、選択されたスレーブだけが応答し、他のスレーブはバス上の信号を無視します。このように、マスターが各デバイスにアクセスを許可するためのプロトコルがI2Cに組み込まれているため、複数のデバイスがバスを共有して通信できます。
同じアドレスを持つスレーブデバイスは同一のバスに接続できないので注意が必要です。


I2C通信のクロックについて

一般的に、I2Cバスのクロック速度は数kHzから数MHzまでの範囲で設定されます。速度が遅いほど信号が安定し、速度が速いほど通信速度が向上しますが、信号のノイズや反射などが問題になる可能性があります。


I2C通信の通信距離について

通信距離は、一般的には長くとも数メートル程度までが推奨されています。I2Cの信号線はオープンドレイン出力であり、プルアップ抵抗によって信号を形成します。そのため、通信距離が長くなると信号の立ち上がり・立ち下がりが遅れるため、通信速度が低下したり、誤った信号を受信する可能性があります。また、通信距離が長い場合は、信号がノイズによって劣化することがあります。通信距離を延長する場合には、リピータや信号増幅器などの回路が必要になる場合があります。

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